化粧品の品質を保護・維持するため、微生物の増殖を抑え、腐敗や発酵が起こらないようにする目的で添加される薬剤。防腐剤と殺菌剤は使用目的が異なるが、同じ薬剤でも濃度が大なら殺菌剤、濃度が低ければ防腐剤として作用する。防腐剤はあくまでも殺菌作用はなく、微生物の侵入・増殖を防ぐのが目的で、殺菌作用があるのは、殺菌剤や消毒剤・抗菌剤などと呼ぶ(抗菌剤は大きく防腐剤と殺菌剤とに分けることができる)。
化粧品は微生物によって汚染を受けやすく、腐敗をおこすと劣化し、皮膚トラブルのもととなるため、化粧品にとっては必要な成分といえる。ただし、まれにアレルギー反応を起こす人もいる。化粧品に使用されるものの代表として、パラベン(パラオキシ安息香酸エステル類)・フェノキセトール(エチレングリコールモノフェニルエーテル)・サリチル酸・ソルビン酸・フェノールなどがある。