皮膚の表面の「角質層(かくしつそう)」は、身体のもっとも外側にあって、水分を蒸発させないよう守っています。細胞の中には天然保湿因子(てんねんほしついんし)(NMF)があって水分をがっちりつかみ、細胞間脂質(さいぼうかんししつ)が周囲を覆って水分を逃がさないようにしています。そして、それらのもっとも外側で皮膚を守るバリアの役割をしているのが、皮脂膜(ひしまく)です。
具体的には、皮脂膜は、皮脂腺から分泌された皮脂と、表皮ケラチノサイトから作られた表皮性資質(ひょうひせいししつ)、汗腺(かんせん)から分泌された汗とが混じり合って作られます。水分と脂分は、本来混ざりにくいものですが、これらは、ラノリン/・コレステロール・リン脂質といった天然の成分が乳化剤(にゅうかざい)の役割をして、きれいに混ざり合い、0.5ミクロン(2000分の1mm)という薄さで、皮膚を覆っています。この皮脂膜は、洗顔などで失われ、再生するまでに数時間かかります。そのため、化粧水で水分をたっぷり与え、油分で膜を作って守る必要があります。人体に最も近い油分が、スクワランオイル(深海鮫油)です。