水と脂は、本来、混じり合いにくいものですが、この両者を混ぜることを「乳化(にゅうか)」と言います。混ぜるときには、乳化を助け安定させる物質「乳化剤(にゅうかざい)」を使用します。混じり合わない2つのものを、微細に分散してひとつのものにするのです。
乳化は、皮膚の表面でも行われていて、皮膚を守る皮脂膜(ひしまく)は、皮脂腺(ひしせん)から分泌された皮脂と、表皮ケラチノサイトから作られた表皮性資質(ひょうひせいししつ)、汗腺(かんせん)から分泌された汗とが乳化して作られますが、その際、皮脂ラノリン・コレステロール・リン脂質などが乳化剤の役割をしています。